オレのセカイ

今夜も月がきれいだね

葛藤

今日の札幌、街の中は微妙に風が強かった。


車のほとんど通らない、片側一車線の細い道路と交わる信号機のない交差点を、

ろくに左右も確認せずに渡ろうとしたとき、交差点の反対側でビラ配りをしていた男と

チラッと目が合った。


あ、これはビラを差し出されるな。まいったな・・・


普段ビラを差し出されても、まあ無視してそのまま素通りするんだけど、いつもその瞬間に

ミジンコよりも小さい一種の罪悪感を感じるので、なるべくビラは差し出されたくないと

思っているのだ。


案の定、その男はオレにビラを渡そうと、ビラの束を持っている手と反対の手でビラを

一枚だけ取ろうとしたんだけど、風が強くてビラがビラビラしてたせいか、なかなか

一枚だけをつかめない。男がビラを相手に四苦八苦している間にもオレはどんどん男の

ほうへ近づいて行くわけで、それが男をますます慌てさせるのか、いっこうにビラを取れないで

いた。その交差点を渡って男の前に到達するまでに、おそらく1、2秒ほどの時間しか経って

いないと思うのだが、オレの頭の中では


「このままいけばビラを出されないで済みそうだな。今のうちにさっさと男の前を

通り過ぎてしまおう。でも、あんなに一所懸命ビラを取ろうとしてるのに、あの努力が

報われないのもなんだかかわいそうだし、少しゆっくり歩いて男にビラを差し出す

チャンスをあげようかな。だけど、あれだけ苦労して差し出されたビラだと、いらなくても

取らないわけにはいかないし、やっぱりさっさと通り過ぎたほうがいいかな。でも・・・」


と、今日一番の葛藤があった。



果たして男はオレにビラを差し出すことが出来たのか・・・・続きは明日。

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開いた座席から生まれた心の旅

帰宅途中の地下鉄で、つり革につかまりながら本を読んでいたときのこと。

オレが乗ったとき座席はほぼ埋まってたんだけど、2、3駅後にオレの前に座っていた

中途半端に禿げているおじさんの両隣の人が降りて、左に1.5人分、右に1人分くらいの

スペースが開いた。だけどオレは座らずに、つり革につかまったまま本を読み続けていたら、

地下鉄がゆっくりと動き出した後に前に座っていたおじさんが半分腰を上げてすっ、すっと

左の方に寄っていった。

(もしかしてオレが座りやすいように移動してくれたのかな。)

なんて思っておじさんのほうをチラッと見ると、おじさんのすぐ左側には若い女の人が

座っていた。右側にたくさんスペースがあるのにもかかわらず、ぴったりと寄り添うように

座る若い女と禿げたおじさんの組み合わせは、なんだか不自然に見えた。

(さて、座るべきか、座らないべきか。見た目的にはオレが座ったほうが不自然さが

解消されるのだが・・・)

ここで、女の人とおじさんの心理的な側面からも考えてみた。


〜予想される女の人の心理〜

○オレが座らなかったら・・・
「なにこのエロオヤジ。なんであたしのほうにぴったり寄って来るのよ。勘弁してよ。」

○オレが座ったら・・・
「あ、このおじさん前に立ってる人のために席を空けてあげたんだ。いいとこあるじゃん。」



〜予想されるおじさんの心理(非エロオヤジだった場合)〜

○オレが座らなかったら・・・
「おいおい、頼むから座ってくれよ。座ってくれなきゃ女の子にくっつきたくて移動したって
思われちゃうじゃないか。あーあ。」

○オレが座ったら・・・
「ほっ。移動してよかった。こいつも本当は座りたかったんだろ。みんな疲れてるんだよな、
今の世の中。」



〜予想されるおじさんの心理(エロオヤジだった場合)〜

○オレが座らなかった・・・
「早く座れよ、おい。俺がエロオヤジだって隣の子にばれちゃうだろ。全く・・・」

○オレが座ったら・・・
「よっしゃー。これで堂々とこの子の隣に座れるぞ。あーいい匂いするなー。」




やはり、どのような側面から考えてみても、オレが座ったほうが世の中すべてうまくいく

ような気はしたんだけど、万が一おじさんがエロオヤジで、今回のことで味をしめちゃったら

困るし、オレは足腰を鍛えるために地下鉄ではイスに座らないようにしてるので

結局座らなかった。


開いた座席のせいでに読書に集中できなかったよ。

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